「図書室の本」の記録
 
●撮影までのおおまかな流れ。●
 
●2003年末くらいに『ちょっとした短編を肩慣らしに』と台本を柴崎さんに依頼。

●2004年、中町監督の『夏草の誘い』を手伝いつつ、役者に会ったり、ロケハンしたり自分の撮影の準備。

●2004年9月、台本完成。年末撮影を目指して動いていたが、役者の都合が悪くなり延期。

●2005年4月、GWでの再開を目指して準備。しかし以前の役者が都合が悪く変更。調整中にまたしてもキャンセルがあり、どうしょうもなくなり今回も中止。

●2005年6月、涼子役の方から個人的な事情で出られなくなったと連絡。彼女でイメージができあがっていたので呆然とする。

●2005年8月、心機一転。いままでの事をチャラにするため1から役者を再募集して面接。
涼子役を『清水藍さん』健二役を『志内庸介さん』司書役を柴崎さんの知り合いだった『渡辺美穂子さん』に決定。

 2005年10月30、31日で足かけ2年越しの企画「図書室の本」の撮影を決行。予想通りころころ変わる空と明るさに悩まされながら一応作れるだけの素材は撮りましたがつながるか非常に心配なところです。

 晴れて無くてもいい所で晴れて、晴れて欲しいところでは曇りなんですから。でも今回は極力撮影した物が全て、リテイクはしないというスタンスで行こうと思ってましたが、つながらなければ話にならないのでアフレコの予定日は役者が空いているのでその日にリテイクの予定を突っ込み、アフレコをずらすという事も視野に入れて考え中です。
 今回スタッフで来てくれた専門学校時代の友人とその部下が、さすが現場慣れしていて非常に助かりました。彼らは基本的にプロとして現場にいますが、仕事が空いてれば自分たちでも自主映画を作るためにいろんな現場をみたいと言ってましたので、交通費とか支給してくれて、スケジュールが空いてれば雇われスタッフというのも考えてるようです。もしスタッフ(照明、音声)が必要な方はご一報を。

 さてさて待望の編集作業に入ってどうなることやら。

11月15日アフレコしました。
写真・涼子役の清水藍さん、健二役の志内庸介さん。
 
まだ編集途中ですが音声素材がないと先に進まないのでアフレコを決行しました。場所は毎度おなじみ大和市立図書館内のスタジオです。

 アフレコ対象は基本的には外のシーンで全部で4シーン。最初に一番難しいであろうシーンをやり、これが3時間くらいかかったので「今日中に終わら ないのでは?」と思ったものの、その後はビデオで撮影時の自分の音声を聞きながらやってもらったら冗談みたいにスパスパ進み無事16時半には終了。

 これで一応役者はお疲れさま。後はインサート用のカットを撮りに行き、ひたすら編集を詰めるのみ。音楽の打ち合わせも始めたいな。

 基本的にリテイクはしないつもりでしたが、どうしても撮り直したいカットがあり役者の都合で12月になってしまいましたが先日撮って来てやっとこラストシーンの編集に入ってます。

 いろんな意味で10分きっかりにしたいと思ってましたがどうしてもオーバーしそう。原因は分かってるんです。役者のアドリブで遊びすぎたシーンがあり、そこが流れもあって切れないでいるからです。かといって詰め詰めで編集しちゃうと余韻もへったくれもなくなっちゃうのは作品的にそりゃまずかろうと。
 ダラダラ長い自主映画は大嫌いなので切ることにさほど抵抗はないんですが、今回は10分てことで台本上で結構詰めたので切れる台詞やシーンがほとんどないんだよな〜。

 東映娯楽時代劇の御大、松田定次監督の「100撮って100観せるのは映画じゃない、120撮って100観せるのが映画だ」という言葉が大好きな自分としてはここは一発惜しんでないでばしっと切るかとか、まぁとりあえず頭からラストまで流して観て考えないと。                              (2005.12/7)

●「図書室の本」編集ほぼ完了●
 時間は現段階で10分6秒。10分という時間を大前提にした為に全体的にせわしない印象があるかもしれません。当初は11分くらいの物をネットで配信して、もろもろ出品用に10分版とも考えましたがそれもいさぎよくないかな〜と。
どうせあちこちには10分で出品するのだから、やはりそれを完成品という事にしないとなと考えています。

 最終的な詰めは音楽がないとできないので、後はいかにフィルムっぽくするかの細かい画質調整をやりつつ、ボチボチ次の事を考えていいのではないかという気分になってます。

 最近はロケハンであたりを付けてる「いい風景」がいざ行ってみると無くなってるという事も多いので、「不思議の国のアリス」な時間と空間を飛び越えてロケ地巡りの作品でも作ろうかと「サイレンス・サリー・フィルム」の中町監督と話してます。

 名付けて『ロケ地消化企画 』それこそオムニバスで、ロケ地別に監督たててやるかと。
まぁあれこれ考え中。

 「図書室の本」色味、画質の調整と音のバランス調整。画質はフィルムっぽくというのを追求するのは一段落で気持ちビデオの鮮明感を残すことにしてより色味で転ばす事にする。

アフレコパートの音の良さが気になりわざと籠もり気味にいじる。個人的に画面上横向いてたり後ろ姿だったりする所にやけにクリアな声がかぶってると気持ち悪いんだよな〜。でも人に聞かせると「聞き取りにくい」と言われる。聞こえないとしかたないので戻すと自分の中で気持ち悪い。ここは一発聞き取れる音の悪さを目指さないと。

 いじりすぎなのか、気にしすぎなのか・・・そもそも基準値がないので何するにせよ自分のうちのスピーカーやモニター頼りでどうどう巡り。         (2006.1/7)

●合成かました●
 駅のホームで2人が並んで座っている奥から電車が来るのを1カットで撮ってたが、間が空きすぎるのでインサートカットを入れて詰めた。
しかしインサートカット前には影も形もないのに、インサートあけにあまりにも唐突に電車が近くに来ている印象があるので、2人の奥に電車が来る光のみをはめ込む事にした。と言っても元々合成するつもりもなかったし、駅のホームでのゲリラなので手持ち。手ぶれが合成の大敵なのは分かってるけど1フレームづつ位置合わせすればいけるかな?と。

 最初から合成するつもりで撮ってればもっと簡単にできるけど、これもデジタルなのに方法論は非常にアナログなアプローチですが今回は色々デジタルで何ができるか実験の意味もあるので決行。

 フリーのソフトで該当個所をaviからを1フレづつbmpファイルにして、合成用の接近する光の映像も同じくbmp化。そしてphotshopにて1フレずつ位置あわせして合成。柵越しに光が来るので長時間は柵自体が動いてしまいバレるので67フレーム合成する事にする。
合成だけで3時間かかった。そしてそれをavi化してはめ込み。
う〜ん、手間の割に柵の微妙なズレのさわさわ感はいかんともしがたくどうかと思うけど、約2秒だしまったく来る気配の無いカットよりは全然いいかな。
●画像はこちら●
しかしこのネタで合成するとは思わなかったな・・・。

 「図書室の本」完成まで後少しとか書きつつ、3ヶ月以上放置してました。撮ったままの画質では気に入らないので、フィルムっぽくしようとしてたのにどうしても自分の中で納得がいかなかったのと、ちょっと別件に浮気してたりしてたらです。放置してたせいで粗が気になってるので、今後の方法論を確立するために、音も一から組み替えようと思ってますけども。

                                                  (2006.6/10)

6/28日編集をロックし、完成品としました。
                                                  (2006.6/28)

完成品をサイトで公開。(2006.7/5)
    
『図書室の本』TOPへ戻る